寝言

全部寝言

UNCHAIN佐藤さん脱退に寄せて

UNCHAINから佐藤将文が脱退する。7月にねごとが解散、9月にLEGO BIG MORLから大ちゃんが脱退、金曜日にNICO Touches the Wallsが解散、そして佐藤さんの脱退。何故こんなに悲しい出来事が続いてしまうのだろうか。

 

正午過ぎ、「UNCHAINからのお知らせ」の文字を見た瞬間、真っ先に浮かんだのは活動休止。というのも、毎年出しているアルバムが今年は出ていなかった事がどうも引っかかっていた。UNCHAINは本当に毎年毎年びっくりするくらい勢力的に活動するバンドなので、アルバムが出ないのは個人的に大事件だったし、正直ちょっと不安だった。UNCHAINの一年は、昨年なら1月はまっさんと佐藤さんの半チェインから始まり、バンドセットのライブもやりつつアコースティックツアー、夏頃には旧アルバムリリース時の再現ライブ、秋にはアルバムを出して全国ツアーをまわり、暮れにはホールワンマン。こうして書くとすごすぎてびっくりするな。去年が特別だったわけじゃなくて、毎年この忙しさである。もはや尊敬する。そんなわけでいつも主催ライブの時には何かしらのお知らせを持ってきてくれていた。UNCHAINはいつも次の予定が決まってるから、心配する暇なんてなかった。だから今年の9月、FiNOとの対バン時に何もなかったのがだいぶ引っかかってはいた。

 

アルバムが出ないとはいっても、20年以上続いているバンドだし、去年の暮れにはバンド史上最大規模のワンマンをソールドアウトで大成功、CMソング、ドラマ主題歌と、ここ一年のUNCHAINは凄かったから、そんなことあるわけないと思ってた。本当にいつも以上に凄かった。何より、昨年出したアルバム「Libyan Glass」が、信じられないほどの名盤だった。表題曲はまっさんが佐藤さんを「今までで一番良いギターソロ」と褒めるほどで、吉田さんは初作曲でとんでもない曲を作ってしまったし、Behind the moonはUNCHAINどころか日本の音楽史に残して欲しいほどの名曲であった(大袈裟ではない)。4人の良いところがこれでもかってくらい発揮された信じられないほどの名盤だった。だから、このままもっと凄いものを見せてくれると思っていた。ずっと4人でかっこいい音楽を作り続けてくれるものだと思ってた。UNCHAINは歳を重ねてもずっと4人だと思ってた。もちろん、脱退なんて考えたことすらなかった。本当に信じられないし信じたくない。

 

UNCHAINを初めて聴いたのは、浪人中のゴールデンウィークだった。当時の私といえば、四月のやる気はどこへやら、いわゆる五月病真っ只中で、モチベーション諸々地に落ちていた。そんな時漁っていたYouTubeでたまたま関連動画に出てきた、そういえば(当時既に大ファンであった)LEGO BIG MORLと仲良いのは知ってるけどバンド名しか知らないな、と本当に軽い気持ちで聴いたmake it glowのライブ映像が人生を変えた。

↑何故か埋め込みができない。

イントロからかっこよすぎる、と思ったらボーカルとんでもなく歌上手い、演奏のレベル高すぎる、なんじゃこれ!といった衝撃は今でも昨日のことのように思い出せる。

 

それから受験が終わり、真っ先にライブに行って(初ライブはcinema staffとの対バン@今は亡きリザード)ずぶすぶと沼にはまっていった。

12月のホールライブ2daysではあまりのかっこよさに余韻を1ヶ月以上引きずってしまったり、その余韻のまま4人の地元の京都(本当の地元の京丹後には行けてないけど)に行ってしまったり、再びホールライブで余韻に浸りまくったりした。

初めてライブに行った2017年の3月から現在まで、2年半で合計15回のライブを見た。半チェインを足して18回、まっさんの弾き語りも足すと20回。遠征は前述の京都と、仙台、大阪に一回ずつ。今覚えばもう少し行けたと思う。しかし、どれも鮮明に思い出せるほど素晴らしかった。初ライブのKiss Kiss Kissのアウトロはステージに釘付けだったし、ノーナとの対バンではアンコールのsmooth criminalが震えるほどかっこよかったし、アコースティックのアレンジには毎回驚かされた。Aurora音源化してください。MCは毎度ちょっとあれだったけどそれも含めてUNCHAIN

 

UNCHAINとの思い出は私の大学生活の全てであると言っても過言ではない。それくらいUNCHAINが私にくれたものは大きいし、どんなに辛い時でもUNCHAINの音楽さえあれば生きていけたし、かっこいいUNCHAINのライブ映像を寝る前に見るだけで幸せになれた。

他にも好きなバンドは沢山いるけど、本当にUNCHAINは特別だった。今好きなあらゆるバンドのワンマンが全部被っても、迷った末にUNCHAINのライブに行くと思う(これは本当に前から思ってた。証拠画像、自分のメモ用アカウントより。フリカエッターでがんばって探した。恥を忍んで載せる↓)。

f:id:gettan_n:20191120050611j:image

UNCHAINの何が好きかって、とにかくライブがかっこいい。他にもライブがかっこいいバンドは山ほどいるけど、UNCHAINは毎度毎度すごいライブを見せてくれた。たとえ定番曲中心のセトリでも、何度も見たいと思わせてくれた。もはやセトリなんかどうでもよかった。曲のつなぎはドキドキするほどかっこいいし、アレンジも今のUNCHAINに合わせて変わっていくのが素敵過ぎる。

その中でも佐藤さんのギターとコーラスは本当に素晴らしくて、本気で世界一だと思っている。谷川正憲という絶対的ボーカリストが居ながらにしてあの歌声。まっさんとは別ベクトルで最高のボーカリストだったし、まっさんの歌声に世界一合うコーラスだった。2人のツインボーカルなんかもうこの世で最も相性が良かったと思う。谷さん下ハモ、佐藤さん上ハモの組み合わせも好きだ。2人で下ハモやってもはまる。グッズ紹介も良い歌声だった。あんなのUNCHAINにしか、佐藤さんにしか出来ない。

水色のストラトを弾く佐藤さんをみてなんとなく、若い頃に関しても、掻き鳴らすというよりはどんなリフでも品があるなと思った。切れ味が良くて軽快なカッティングが大好きで、どんな難しいフレーズを弾きながらでも最高のコーラスをする姿はとてもかっこよかった。

 

そしてそんな佐藤さんが大好きな私は、UNCHAINのライブのほぼ全て(記憶が正しければ、指定のホール公演とゼロエフのファイナルを除く)を佐藤さん側で見てきた。毎度毎度ギターとコーラスの姿をしっかりと目に焼き付けてきた。それがもう見れなくなってしまうなんて、やはり信じられない。あと何年かかっても受け入れられない。佐藤さんはギターとコーラス名義ではあるけれど、ツインボーカル竹内電気から斉藤伸也が脱退したくらいの出来事だなと思った(なお竹電はその後解散してしまったけれど、オリジナルメンバー5人で復活したばかり。そんな未来をUNCHAINでも見たい)。

 

こんなこと言ってはいけないと思うけど、活動休止の方がまだ受け入れられたと思う。脱退なら、もう二度と佐藤さんがUNCHAINのギタリストとしてギターを弾く姿も、まっさんのコーラスをする姿も、ましてや半チェインでばりばりに歌う姿も見れないけど、活動休止なら、4人でまた再開する未来がきっとあるじゃないかと思ってしまう。でもここまで突っ走ってきたUNCHAINに活動休止なんて選択肢はなかったんだと思うし、その選択をしたUNCHAINに失礼なのでもう一生こんなこと言わないけど。今後はもう、UNCHAINを続ける道を選んだ3人についていく。UNCHAINが本当に大好きなので。佐藤さんも、素敵な音楽を作り続けてくれるであろう。それも楽しみにしたい。もはやこんな悲しい事が起こるなら出会わない方が良かったんじゃないか(別れ際のカップルみたい)とも思ってしまうけど、UNCHAINがいてくれたおかげで受験も山積みの課題も乗り越えられた。サークルでどうしてもKids returnを演奏したかったのもUNCHAINのSEだからだ。誰にも言ってないけど。出来ればUNCHAINのカバーの半チェインバージョン(まぎらわしい)をやりたかったけどあらゆる点で私にそんな能力はなかった。

 

あと半年で心の準備が出来るか分からない。けど、これまでの日々に思いを馳せつつ、受け入れる努力をする。来年のツアーはあらゆるものを犠牲にして貧乏大学生の限界に挑戦する。研究室どうなるか分からないけど。せっかく最後にチャンスをくれたので、後悔しないようにしなければ!とにかく私は、今までもこれからも、UNCHAINが心の底から大好きだ。